戸籍など公文書に対する“公証”について 出生証明・婚姻証明
当事務所には、時々、戸籍など公文書の日本語原本に対する「公証」のご依頼・お問い合わせを頂きますが、以下が当事務所のご回答・考え方です。
国によっては公証役場(Notary Office)相当の官署が出生証明・婚姻証明相当の書類を発行するところもあるようです。しかし、日本では戸籍は市区町村長が発行し、公証役場が出生証明を行うということは通常ありません。
また、一部の国では出生証明・婚姻証明に対して公証役場(Notary Office)での手続きを受けることにより有効となるとしている国があるようです。しかし、日本では戸籍などは公証役場(Notary Office)での手続きを経ることなくそのまま有効です。
従って、戸籍などの公文書に対しては、その日本語原本について公証を受ける意味はありません。(そもそも、法令の制限により公文書に公証を受けるとはできません。)
当事務所には“○○国で提出するので、戸籍などの日本語原本に対して「公証」を取得したい”というお問い合わせを頂くことがありますが、多くの場合は制度の違いによる誤解が原因となっているようです。
「公証」は私文書に対して行われるもので、通常は、公証役場において公証人がその私文書の作成者の署名(または記名押印)を証明します。戸籍は私文書ではありませんので、この手続きを受けることはできません。(公証人は公文書の「公印」を証明する権限はなく実務的にもできません。)
また、公証役場では謄本認証という手続きがありますが、公証人は公文書に対して認証はできませんので、この謄本認証の手続きを受けることもできません。
一部HPなどでは、「宣言書」方式による方法が案内されていますが、何か特別な理由がない限り、この方法はあまり意味がないため当事務所ではお勧めしていません。
なお、戸籍などの翻訳は私文書となりますので、公証を受けることは可能です。出生証明・婚姻証明として戸籍の英訳を作成し、公証を取得した後に、アポスティーユを取得するというのは多くご依頼を頂いております。
提出する書類に対してどのような認証(処理)が必要かは提出先の要求するところとなります。必要な認証については書類の提出先にご確認ください。 |
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